取材記事

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あなた自身があなたを治す治療室あります。 (隔月刊誌 ビィ・オール)

JR山手線の田町駅から歩いて5分程のところに田町中央治療室がある。(注:現在は銀座中央治療室に移転)
ここはとても 不思議な治療室。
治療される側は腕や足を曲げられることも、ツボを押さえられることもない。痛みもかゆみも全くないのである。
 何故なら、常時3~4人いる治療者の誰もが一度たりとも、患者さんの体に余計な圧力をかけないからだ。
 せいぜい診断のために首や足先を動かす程度。
「じゃあ、なにが治療なの?」「どうしてこれで治るの?」
初めて来た誰もがそう思うだろう。
 簡単に言えば、この治療室の先生はそれぞれの人の持つ「自然治癒力」を触らずに高めて病を治す方法を確立し、 実践しているのである。
 その先生とは、木村 仁 先生。どうもこの治療室に入った場合、ここに充満している気の波動を受けて、滞っていた自然治癒力を発動する らしい。
 木村先生に自然治癒力と波動の関係を伺った。

自然治癒力に目を向けたきっかけは?

 以前は自然治癒力ではなく、外から刺激を入れて体の生動反動力を利用するという 対症療法をやっていて確かに症状はその時は改善するのですが、健康になった様子が見られない。腰痛で来てその痛みは治るんだけど、健康度がさっぱり上がっていないことに自分で認識し始めたのが昭和51年くらいでした。
 うちは、 「鍼、灸治療」で非常に流行りましてね。1日に80~90人は来ていたんですよ。 皆から名人とか達人とか言われて、端から見れば何の不満もないはずなんです けど、心の内側から少しずつむなしさを感じ始めたんです。鍼灸でも自然治癒力 を引き出す事は可能かもしれませんが、その時の私はただ対症療法的にやって いたんですね。それで、これはどうしたらよいかと、色々勉強会に出ていた時、一つの勉強会に出てきたカイロプラクティックの創始者の息子の「B.J. パーマー」という方の考え方、哲学に、これだというものがあって、それを研究していたら、 ある日、自然治癒力自体が見えてきたのです。
 その日から鍼・灸治療をやめ ました。年収はガクンと減っちゃいましたけど(笑)。

B.J.パーマーのインパクトのあった考え方とは?

 一番代表的な言葉は「症状を追うな」と言う言葉です。「症状は害や悪ではないんだ」という事ですね。
 何より感心したのは脊椎温度計という計器。脊椎の両側にそれを当てると左右の 温度差がグラフに表れるという計器なんですが、それで一番下の腰椎5番から 一番上の頚椎1番までを測っていくと、症状に対応して温度が低くなったりして、グラフが左右に揺れるわけですよ。人間の体っていうのは治療しなくても揺れて いるんです。ある時は高くなったりとかね。腰のところで左右の揺れがある時は 膝が痛いという人が多いですね(ほっておいても、グラフの揺れが解消すると 症状が取れてしまう)。
 ところが誰でも何回測っても必ず同じようなパターンを持つところがあるんです。 上部頚椎1番2番のあたりのところが、必ず毎回同じパターンで出る。つまりそこは動いていないんですね。という事は「病気」とか「死」に近いという事です。すなわち自然環境に適合出来てないんですね。
 環境がどう変わろうと、不動のパターンが出来上がっている。ですからそこを目指して治療をするんです。そして不動のパターンが変わった瞬間に「自然治癒力」が出てきたと判断して、その後はその不動のパターンに戻るまで治療はやらないようにする、という考え方です。自然治癒力という言葉を皆さん良く使いますけれど、本当に追求したのはB.J.パーマーの考え方ですよ。

実際先生がその方法で始めた時はどうでしたか?

 全然治らない(笑)。なぜかというと、日本ではレントゲンが使えないから脊椎骨がどうなっているのか感覚でしかわからなかったんです。当初は十中八九は間違った判断をしてましたね。
 後に正確度は上がりましが、精密な診断はレントゲン無しでは無理だ、と考えて「むつう整体」というレントゲンを撮らなくてもいいように改善 していったわけです。直接骨を動かさないで骨が動くような環境に設定するだけで、自然治癒力が湧き出るようにしたのです。

具体的にはどのように、環境を設定するのですか?

 それは「波動」という言葉がキーワードなんです。
人間の身体って常に動いているんですね。微細に振動している光も電磁波も波ですし、人間という物体も物質波というものを出している。
 そこで、我々人間の1番大事な脳の部分で、生きていくのに特に重要な脳幹という部分があるんですが、上は視床下部からずっと下の延髄までですね。ここが一番生命に直結する場所なんです。 ここを上手く活性化することによって、骨さえも勝手に動き出すという事を、ある時発見したんです。
 その後、波動を使って脳幹と共鳴させてみよう、という研究を昭和59年に始めたんですが、その研究で共鳴する事が分かり、今では体に触らずに自然治癒力、我々の言葉で言う「イネイトインテリジェンス」が上から下へ、内から外へという方向性で働き始めるという事もわかってきました。
 後は全て本人の自然治癒力にまかせます。人間の身体は常に治そうとする方向に動いているのです。目にみえない程度の波動をそのセンサーである脳幹に働きかけると、それをキャッチして、体にオートマチックのボタンが入るわけです。そして、病気の治療というコースに入っていくんですね。

波動を整えていく作業が大変ですよね。

 そういう道具を作ったんです。
一つは光ですよね。ある特殊な色のフィルターを 通した光を当てますと、脳幹の周波数と波動が一致します。ちょうど音叉を叩くと、もう一つの音叉が叩いてないにも関わらず同じ音を出すのと同じですね。
 ここに脳幹があるとします。脳幹と同じ周波数を出す光・音・そういうものを活性化させると、こちらの脳幹も震えて、自然治癒力が上から下へ、内から外へと流れていくのです。
 この様にして自然治癒力が発動されると五感が鋭くなり、体も温かくなったり、軽くなったりします。そして何よりも 肯定的に、感謝を持って生活が出来るようになりますね。その心の部分が本当は何より一番大切なんです。

内なる自然の力を取り戻すための引き算の法則 (隔月刊誌 フィリ)

自然治癒力を邪魔しない生活環境が大切

●すべては内側にある

Q.むつう整体とはどんなものですか?

 文字通り解釈すると痛みがなく体を正しく整えるという一つの療法です。
漢字で「無痛」と書くと 痛そうなので柔らかい感じがする”ひらがな”にしています。

Q.どういうきっかけで始められたのですか?

 私は25年くらい前に、5年間、鍼治療をやっていたんです。あっという間に治してしまうので その業界でも有名になりましたし、名誉も地位もあり、収入もかなりありました。
 でも、それをある時 急にやめました。カイロプラクティックを学んですごいと思ったからです。といっても、療法が すごいというより、創始者のD.D.パーマーが考え、その息子のB.J.パーマーが証明した 哲学がとても面白かったのです。それを知った時に、健康に関する最高の考え方だと思い、鍼灸を やめました。

Q.どういう哲学だったのですか?

 今、考えてみれば当たり前なのですが、「全ては内側にある」ということなのです。
病気の原因も、 病気そのものを治す力も内側にある。施術(トリートメント)はそのきっかけに過ぎません。 99.999%は体が勝手にやってくれているのです。この考え方が実に気に入りまた、この哲学を 裏打ちする技術もすごいと思いました。

 その診断具の一つにNCM(ニューカロメーター)神経熱量計とうものがあります。
この考え方も 素晴らしいです。人間は上から下への神経網が出来ていて、それが、正しく機能していると血流も充分に流れていきます。血液は暖かいので温度が発生します。つまり、熱を計る事によって神経の機能を 計れます。NCMでは赤外線で背骨の両側の温度を計り、コンピューターで分析します。そして記録計に グラフとして出力します。

 人間の体は、外部環境に適応しようとして、グラフが真っ直ぐではなく左右に揺れ一定しません。 これは悪い事ではなく、上手くバランスを取っている証拠です。以前の私はいつも症状にこだわっていましたが、 今思えば馬鹿らしいことです。もちろん、症状は大切ですが、中心(原因)をしっかり見据えていると外側 (症状)に振り回されることが無くなります。症状というのはいつも揺れ動いています。時間、生活の変化、 体のリズム、外部環境の変化によって軽くなったり、消えたり、逆に増悪したり、つまり蜃気楼のようなものです。
 
 しかし、NCMで10回計っても揺れ動かない部分が問題です。つまり、適応能力を失って固定化されている部分が、あなたの内なる力をせき止めているよと教えているわけです。
「症状を追わずに原因を終え。」この考え方は 出来そうで出来ません。つい、症状に目が行ってしまうのが人の癖なのでしょうか。
 外から結果(症状)に何か働きかけるのは、実は危険なのです。
私がやっていた鍼治療も、結局は症状を 追うものでした。薬を使わず、鍼も一人一本だけ、それも1ミリも刺さない、それでも害があることが わかりました。症状がとれて患者は喜んでくれますが、その人自身の健康度は上がっていなかったのです。

 ところがパーマーの考え方では、症状は問題ではありません。原因があるかないかをまず探ります。 それは何かというと、その人の内側の力がちゃんと発揮されているかどうか。
もし、ちゃんと発揮されていれば、 傷でもなんでも治ります。結局そういった力が衰えているので、病気になるのです。

 例えば、「高血圧」も結果です。血圧降下剤を飲めば血圧は下がりますが、血圧が上がった本当の原因を 知らずに、ただ血圧降下剤を飲むのは危険です。何か原因があって、体は血圧を高くしているわけですから。 その奥の原因を取り除けば、結果的に血圧は下がります。
 また、膝に水がたまるととても痛くなります。 水を抜けばたしかに楽になりますが、もともと炎症があるから水が集まるわけで、水が悪いわけではありません。 かえって水は炎症を押さえるための味方なのです。

 このように、人間の身体の症状というのは、ほとんどは治癒作用で自然なものです。
ですから、その奥に あるものを見なくてはいけません。それが、その人の「内側にある力」です。私は昔それを鍼で引き出したので 治ったのだと思っていました。でも、それは鍼という行為が症状に対して影響しただけで、外から内側に働き かけた「動」に対しての「反動」に過ぎなかったのです。つまり、その人の内側の力が爆発したわけではありません。 ですから肉体の健康度は上がっていないし、むしろ症状を取ることによって、その人の命は細くなっていることが わかったのです。

●内なる自然の力 イネイト

 その人の内側の力が働いていないと、弱いところに症状が出ますが、その原因はすべて首の一番上の骨なのです。

 例えば、将棋の駒をきれいに並べておいて、一つを倒すとバタバタと他の駒も倒れますね。ちょうどそれと同じ事です。 建物は基礎が一番大事です。でも人間は動きますし、命令系統は上から下ですから、私たちは骨盤ではなくて頚椎の 一番上が大事だと考えています。脳に近い根本の部分ですね。
 こうした事をベースにして、最初は私も実際に手で頚椎一番を矯正していました。横から歪みを取るのです。 でもこれは感覚を要求されます。レントゲンもありませんしね。ですから危険でもあるし、人に教える時に、 非常に難しいのです。
 ある時、鍼灸の学校などに全然行ったことのないサラリーマンに「私もこういった仕事が 出来ないでしょうか」と聞かれました。私はそのとき、それは無理だと思いましたが、「待てよ、環境さえ整えれば できるんじゃないか」と思い直したのです。前から良い方法はないかと考えていましたが、その人のおかげで真剣に 考えようと思いました。
 
 私たちは、一人一人の内側にある力を「イネイト」と呼んでいます。「in nature」から派生した言葉ですが、 この「内なる自然の力」がうまく出るには、外部から骨そのものに理想的な力を加えなくても、「内側の力」という漠然としたものに共鳴させる波動を使えばいいと考えたのです。
 それは、ホメオパシー(同種療法)という学問が基本になりました。創始者のサミュエル・ハーネマンは、べラドンナという毒草を飲むとショウコウ熱と同じような症状が出ることから、その病気を治す成分が あるのではないかと考えたのです。似たものが似たものを治す。そのまま飲んだら病気なってしまいますが、 成分が検出出来ないくらい薄くしてみると、まったく危険が無く、強烈な効果が上がることがわかりました。 薄めれば薄めるほど良いのです。
つまり、波動、気の世界ですね。
 この考えは、現在の私の治療法と基本的な部分が共通しています。
対症療法のように、強い刺激はそのときには大きな影響を与え、痛みは消えたりしますが、あとで反動が起きます。ですから刺激は微細であればあるほど 身体が素直に受け入れ、体内に浸透します。イネイトをホンの少しだけ刺激するための波動を送り、身体と共鳴を 起こさせることによって、体全体を変える力となるのです。ホメオパシーと同じように、刺激は極限まで小さくします。 そういった波動を出す器具を作れば誰でも治療出来るのではないかと思い、アディオというものを作りました。

●人間はこの世の最高のブラックボックス

 アディオは「ADIO」Above(上から) Down(下へ) Inside(内から) Outside(外へ) の略です。これはイネイトが上から下へ、内側から外側へと流れていく生命力の流れの法則を表わしています。 このアディオという器具を回すと、波動が発生します。
 まず、手にシールドをつけ、脳にさまざまな電磁波がいかないようにします。電磁波は身体に鋭い影響を 与えているので、その中で診断するとその人の生の状態がわかりません。
ですから、シールドをつけ悪い電磁波が 脳に入らないようにすると、全体がはっきりとわかります。そして、アースを先につけた導電布を足にかけ、 静電気を抜きます。こうしてアディオを回し、波動を発生させると、脳幹と共鳴現象が起こり、その人のイネイトが活発に働き始めます。
 たとえていうと、テレビのリモコンのようなものです。テレビはブラウン管やチップなど 入っている複雑な器械ですが、使用する側はその構造を何も知らなくてもリモコン一つで使うことができます。 つまり、テレビはその中にすべてシステムが用意されているブラックボックスなのです。
 ちょうどアディオがこのリモコンにあたり、脳幹という中枢センターのセンサーがこの波動を受け取ります。 そうすると健康回復というドラマが始まるのです。つまり、人間はこの世の最高のブラックボックスなのです。 身体のほうに全部用意されていて、私たちはそのリモコンのスイッチを入れるだけであとは身体が99.999% やってくれます。

 現在は多くの学者が脳に関して研究していますが、一つの脳の機能がわかると、逆に百ぐらい謎が生まれます。 知れば知るほど、実体がわからなくなるのです。自然が作ったものを分解していくと、あとは驚愕、感嘆が残るだけなんですね。 だから、一個一個分析するよりも、体のそういったシステムを上手く使ったほうがいいのではないかと思います。 「体にはそういうすごい力があると言うことを認めてしまうわけです。

●引き算の医学

Q.ここはどんな方がこられますか?

 整形外科的な疾患の方が七割をしめています。そのうちほぼ半分が腰痛です。あとは頚肩腕症状群の方、 つまり首や肩や腕が痛い肩も多いですね。また、内臓を患ってくる方も結構いらっしゃいます。 揉むわけでもなく、注射も薬も与えませんが、結果が出るので多くの患者さんがいらっしゃるのでしょうね。 うまく説明出来ませんが、実に不思議です。ただ寝ているだけで治るなんて、宗教じゃないかと言われそうですが、 体の内側にはそういう力があるのです。どんな外科手術でも、切って糸で縛っておけばくっつくからできるのです。 どんなに新鮮な牛肉を買ってきても、死んでいれば切って糸で縛っていてもくっつきません。 だから最初にありきは生命力です。みんなが思っているよりも、もっともっとすごいということをわかってあげてください。
 イネイトは、その人の体そのものを作り、成長させた力です。考える脳さえも作った力です。 言ってみれば内なる神です。神様は人間の力なんていりません。だから、邪魔しない方がいいし、自然治癒力を 邪魔しない環境を作ってあげるだけで、体は働きます。
 この部屋には電磁波を出さない蛍光灯など諸々の工夫がありますが、すべてその人の内側の力を出せるように するためのものです。そして、服装も靴もゆるいほうがいい、指輪もやめた方がいい、とどんどん自然の方に もっていくだけです。薬もあげない、刺激も与えない、体を締め付けない、・・・・0なのです。 だから0の波動と私は言っています。

 こんな運動をやった方がいい、健康食品を食べた方がいいといった情報過多なことをやめていけば、どんどん 健康になっていきます。つまり、「これをやった方がいいのではないか」という足し算ではなく、 「これも、あれもやめた方がいいのではないか」という引き算の医学です。皮肉なことに引き算の医学です。 皮肉なことに引き算の方が良いのです。人間の力が侵略すれば侵略するほど、その偉大な力が出てこない結果になるのです。

「むつう整体」で医療革命を実践する (月刊誌 たま)

 「むつう整体」は苦痛を一時的に取り除く対症療法ではなく、誰もが持っている生命力の本来の働きを促し、自らの力で健康になるという治療法(原因療法)。この方法を開発した木村 仁 さんは、この内なる力を「イネイト・インテリジェンス (内なる自然の叡智)」と呼んでいる。
 この力こそ宇宙の真理であり、自然治癒力でもあるという。
では、そのイネイトは体のどこにあるのか。
 20年程前まで鍼灸師として大きな成功をおさめていた木村さんだったが、せっかく患者さんの訴える苦痛を取り除いても、突然別の病気で亡なくなってしまうという体験を何度かし、対症療法に疑問を感じた。その時出会ったのがカイロプラクティックのB.J.パーマー氏の理論だった。

 そこで、イネイトの源が生命を維持している脳幹にあることに着目。ホメオパシー 療法などと合わせて研究を重ね、脳幹の波動がゼロ波動である事をつきとめた。
 そのゼロ波動に共鳴する波動があればイネイトは活発に流れ出し、本来の働きを 取り戻すのではないかと考え、そこで生まれたのが波動発生器アディオだった。 ゼロ波動は全てのものを包含する宇宙の根源のエネルギーそのものという。
 だから人間も本来の姿、健康であるには日常の生活がより自然であればイネイトと 共鳴するのだが、これがなかなか難しい。

 今回、その治療を体験させていただき「むつう」の意味を納得。治療者は患者に まったく触ることがないのだから。これが新しい時代の治療法なのだろう。
 あくまでも自然であることを提唱する木村さん。「私は当たり前の事をいって いるだけですよ」と言われるが、「本当の自然ってなんだっけ?」という私の眠った感性を目覚めさせなければと、自然観などについてお話をうかがってきた。

現代人は自然治癒力が働きにくくなっているのではないでしょうか?

木村:今の人は自然を過小評価しているところがあって、太陽の光にしても空気にしても自分を活かしている生命力(イネイト)にしても、私達にとってはなく てはならない(最も)と言ってもいいくらい大切なものなのに、それはお金を払う必要のない無償の愛なので、その大切さになかなか気づきにくいんですね。 子を思う親の愛のような無償の愛、つまり、神の声のわけですよ。
この世は「陰と陽」の対極で成り立っていて、「陰」の見えないものに対して、「陽」つまり、物とか財産といった目に見えるモノのほうばかりに気をとられてしまっているんですね。

 こうなると人間の欲が「もっと、もっと。」ときりがなくなり、目にみえない大事なモノをますます見失ってしまうことになる。本物は陰のほうにあるので、見えるものばかりを追っていると必ず不幸になる。本当に正しいものを正しいと認めるだけで医療に大変革がおきるんですよ。

 「私達が頂いている力、それは外にはないんですよ。全部自分の内にあるんですよ。」と言っているわけで、その内なるものをイネイトと呼んでいるわけです。つまり、イン・ネイチャー(内側にある自然)の派生語なんです。
 このイネイトこそが「本当にその人を生かしている力」で私達はこれにどんなに感謝しても感謝しきれないといっていいでしょう。 本当は畏敬の念、感謝の念が生まれてもいいはずなのに、それを正しく評価しないから、そこに多くの人が問題を抱える事になってしまうんです。

「人間は小宇宙」という本当の意味を理解していない?

木村:だって、私たちの体には製薬工場から医者まで全部そろっているんですよ。切り傷の治る過程にしても、たとえば縫合手術でも糸を抜けば自然にくっついちゃうんですから。イネイトの力がなかったら、手術なんてとてもできません。生命の誕生にしても、受精し、成長し、細菌やビールスにも打ち勝って生命を維持し、心臓は血液を、肺は酸素と炭酸ガスを交換してくれるんですよ、死ぬまで。
 「自然の力」は誕生、成長、予防、修復まで全部オートマチックでやってしまうんですから、凄いですね。その精密さは人間の頭で考えた高層ビル建築のテクノロジーなんかおもちゃみたいなもんですよ。結局、「内なる神」をどこまで評価するかですね。

設計は全部すでに神がやってくれているんですね?

木村:医療関係者も自然治癒力という言葉自体は知っているんですよ。
 ところが自然治癒力を「助ける」とか「増強する」という表現で、それは、人間が「主」で自然が 「従」という立場なんですね。
 逆なんです。つまり、イネイト(自然治癒力)は 「内側の神」なんです。内なる神が人間の知恵なんか必要ない、ということなんです。私の仕事は内なる力を引き出す触媒のようなものです。それをやらないと、その人の本当の力が出ないからです。 だから、人間が「ああ治したい」「こう治した い」と設計図を描いてはいけないんです。私も鍼(はり)を使って治す技術においては自分でも自信があるんですが、それも対症療法に過ぎないと気づいたんです。

多くの人は、その内側の「すごい力」の存在について考えていなかったというか、忘れていますね。

木村:この力を成長させ、強化すれば医療は激変するんです。
 実際、私のように患者さんに触りもしないのに多くの人が奇跡的な回復をしているんです。 それは、それぞれの体の中に全部用意されている「その力の存在」がわかっているからで、我々治療者が素晴らしいからではないんです。
 私たちは触媒にすぎず、患者さん自身がその存在に気づいたと言う事です。この本当に大切なものを正しく評価した時に、教育も政治も経済も本当に正しい姿になることができるんです。

体の中の「すごい力」をあまりにも当たり前のものと思って正しく評価していなかったために病気が発症したわけですね。発症してあわてて何かしようとする。

木村:何かを外に求めようとする。外には幸せの青い鳥はいないんです。 外に求めたら、もっと不幸が来るんです。
 たとえば、外に求めて抗生物質を使い、いっとき症状をとって幸せの青い鳥を得たと思っても、今、抗生物質が効かなくなってしまった。現代医療が負けちゃったわけです。細菌の知恵が人間の知恵を上回ってしまったんですね。
 昭和40年代に、すでに研究者の間では 「細菌には知恵があるから、こんなことをやっていたら、そのうちに化け物が出て、 いずれ人間は負けるよ」と言っていたのが現実になったわけです。だからといってその他の周辺医療が正しいといったら、それも正しくない。これも外から 内側に作用させるということでは、やっぱり対症療法なんですね。 やっぱり内側のものを正しく見ていない。「何かを治す」じゃなくて、全て内側が主なんです。

 農業もそうでしょう?近代農法は農薬や化学肥料を使って大量生産する。 有機農法にしても堆肥を使い、雑草をとって育てる。それも対症療法と同じなんですね。本当は土の力の本当の凄さを信じていれば、雑草を取ることもないし、農薬もまかない、肥料もやらない自然農法がいいんです。自然は全部循環して必要とするものを与えてくれますから。

知人が自然農法でできた野菜を送ってくれるんですが、大根があんなに真っ白でみずみずしくって美味しいものだったなんて、初めての体験でした。

木村:おいしいでしょう?何もいじってないからですよ。
 アメリカやインドでは農薬や化学肥料を大量に使い大規模農業方式でしたが、その結果、今は地下水は枯れ、 地面から塩が噴いてしまって農地として使えないでしょう。インドなども一時は確かに多収穫で自給率100%。余った農作物を近隣諸国にまわしていたよう ですが、そんなことをやっていたから世界中で農業はもう終わりですよ。その点 、日本は地形の関係で大規模農業に取り組みにくかった、という事もあり、 まだまだ救われているんじゃないですか。

 教育の世界でも、そういう現象が起きているでしょう。塾だって本当は学校だけでは学力が追いつかない子供のためにあったんでしょうけど、偏差値教育の結果、 いい学校に行くためになってしまった。知識だけを教え。人間にとって本当に正しいもの、本当に必要とするものを教えなかったからですよ。

結果が出ているのに、今となってはどうしていいかわからなくなってしまった。もう引き返せなくなってしまったんでしょうか。

木村:昭和40年代には、それぞれに方法論はあったんです。水道水の発癌性物質にしてもゴミの問題にしても、結局、経済の追求に明け暮れてしまったから、 ツケが回ってきたんですね。今、一番怖いのは遺伝子の組み換えですよ。食糧の安定供給という大義名分があるんですが・・・。結局見える世界だけを追うから 「もっともっと」という構造になっちゃって。
 私の書いた「ゼロ波動の癒し」 という本には当たり前の事しか書いていないのです。やさしいので多くの人に喜んで読んでもらっていますが、当たり前のことを正しくとらえることができれば、 どうしたらいいのかがわかってくると思いますが・・・・。

今は当たり前のことがわからなくなってきてしまったいるんですね。

木村:善意にしても正気、狂気にしても大人が区別できなくなってきているでしょう。人が心地よく思わないものは絶対悪なんです。逆に本当のいい意味で人が救われる事は善なんです。簡単な事なんです。全部自分の内側に聞けばいいんですから。
 内なる自然は先天的なもので、最初から与えられている。 それに対して後天的に与えられた知識、自然に反した教育がイネイトを邪魔するんです。脳幹から大脳にイネイトが満たされると正しい知識が得られる。それが直感です。

特に、これからの時代は何が正しい情報なのかを直感で選択しなければならないですからね。

木村:イネイトが選ぶんですね。直感力は誰もが持ち合わせているんですが、 後天的に外から与えられた固定観念、先入観念というサングラスをかけてしまったために、真実を見失わせているんですね。真実はいつもそこにあるのに。
 ところがイネイトが流れてくると見えやすくなる。内側が健康であれば、 善悪の判断も正気、狂気の判断もしやすくなり、物の中心を捉えやすくなるんです。そして心が澄んでくると全てのことがシンプル化してくるんですよ。自然は究極にシンプルなんです。そして心が澄んでくると全ての事に感謝したくなるんです。そして自然に生かされている事に気づくんです。 本当はこれが人間の姿なんですね。

 イネイトとつきあうのが楽しくなりますね。そして勇気が湧いてきました。 ありがとうございました。

 治療室はイネイトが充満しているせいか明るくキラキラとして、そして澄んで いる。治療を受ける時の緊迫感などまるでなし。ベッドに横になっているだけなので、ただただ気持ちいいのだ。「鍼をやっていた頃のほうがずっと収入が多かったん ですよ」と笑う木村さん。しかし、イネイトに気づいた時から「生かされている事 に感謝」の毎日を実践されているのだろう。今は月に1回、無料でセミナーを開き、 1人でも多くの人が自分の力でイネイトを活用できればと、普及活動をされてい るという。

内なる自然の力を引き出すために必要な環境を整えよう (月刊誌 致知)

■私たちの中に眠る「内なる自然な力」

 自然治癒力という言葉は皆さんよくご存じだと思います。人間は本来薬に頼らなくとも自分で自分の病気を治すだけの力を持っています。その人の病気に対する抵抗力が強ければ、多少の病原菌が入ってきても病気にいたらずに済みますし、怪我であればいつの間にか治っています。

 見方を変えると、人間の自然治癒力が低下していれば、ちょっとした病原菌や刺激ですぐに病気になってしまう、という言い方もできます。がん細胞にしても当たり前のように体内に発生していますが、発病に至らないのは自然治癒力の働きによってがん細胞が消滅しているためです。自然治癒力ががん細胞に負けた時に、がんという病気が進行してしまうのです。

 残念ながら、私たちの生活空間は自然治癒力を低下させる要因が年を追うごとに増え続けています。食べ物に含まれている添加物や防腐剤、残留農薬、水道水の塩素、排気ガス、さらには近年注目を集め始めた電磁波など、一つひとつ数え上げていたら切りがありません。

 後ほど説明しますが、一般に危険とは思われていない腕時計、指輪など体に身につける貴金属、眼鏡のフレームなども電磁波を取り込む働きがあり、決して安全とは言い難い部分があります。

 若い頃から人一倍健康に関心を持ち、多くの人の病気を癒してきた私ですが、生活の身の回りにあるものがここまで危険に溢れているとは考えてもいませんでした。

 少し自己紹介させていただきますと、私は昭和49年に鍼灸治療院を開設し、多くの患者さんを抱える鍼灸師として業界内で有名でした。しかし、鍼灸で一時的に改善したと思っていた患者さんが、間もなくなったりというように、治療の限界を感じていたのも事実でした。

 「病気がよくなるための原理のようなものがあるのではないか」と思い続けていた時、偶然カイロプラクティックの創始者の息子であるB・J・パーマーという人の本を読み、その考え方や哲学に大いに共感するものがあったのです。

 それまでの私は病気を癒すには、外から刺激を加えることが必要と考えていました。鍼灸だけに限りません。漢方薬も薬草も外部から内側に対して何かの刺激を加える治療法です。しかし、パーマーは症状を見る場合、症状そのものよりも「原因をしっかり見なさい」と説きます。原因といのは、その人の「内なる自然の力」がきちんと働いているか、弱まっていないかということです。確かに、それまで私がやっていた鍼も、鍼という行為を通して「内なる自然の力」を引き出すためのものではありましたが、眠っているエネルギーを永続的に目覚めさせるにはまだ不十分でした。

 パーマーの考え方に共鳴した私は、以来彼の考え方を取り入れたカイロプラクティックの治療に転じ、それに基づく無刺激、無接触で波動による治療学の研究を進めていきました。現在は東京・新橋で波動による整体治療院を開設し、人の中に眠る「内なる自然の力」を引き出すお手伝いをさせていただいています。

■生活の中から不自然なものを取り除く

  この「内なる自然な力」をパーマーは「イネイト」(innate)と呼んでいます。直訳すると先天的という意味ですが、語源的には in nature  つまり内なる自然の知恵という意味ではなかろうかと私は解釈しています。

 ごく大ざっぱに説明すると、脊椎動物の脳には脳幹があり、睡眠や食欲、呼吸血液循環など生命そのものに関することと司るコントロールセンターのような働きを持っています。ここには生命始って以来、三十五億年の知恵が詰まっており、パーマーはこの脳幹がイネイトの座と捉えています。

 人間が本能的に病気を予知できる直感力を備えているのも、この脳幹が働いているからなのです。脳幹が十分に機能していれば、イネイトは人間の体にスムーズに流れます。心身ともに健全であれば、無意識のうちに不自然な環境に体が敏感に反応するようになり、自然にそういう環境を避けるようになっていきます。

 しかし、前述の通り、私たちの生活は様々な状況によって、イネイトの流れが遮られる状態になり、生命本来の力が十分に発揮できないでいるのです。不自然な環境であっても不自然とは感じなくなってしまいます。

 大脳の働きによって科学文明がここまで発展してきたのは素晴らしいことです。しかし、科学や理論に固執するあまり、生命の根幹であるイネイトに目を向けなくなってしまったこと自体、生命力や人間本来の知恵を枯渇させる要因になってしまったような気がしてなりません。

 私の治療院では、脳幹の下部にある頸椎を調節してイネイトの流れをよくすることを治療の柱にしているのですが、その理論はすぐには説明できません。そこでここでは日常生活の中で誰もが簡単に実践できるイネイトの働きをよくする方法をアドバイスしたいと思います。
それを一言でお伝えすると、日常の中からできるだけ不自然なものを取り除く努力をすることです。私は、これを “引き算の法則” と呼んでいます。

 私たちの生活は確かに豊かです。しかし便利さや快適さを追求するあまり、不自然なものまでたくさん身につけてしまい、本来の自然な姿を見失ってしまったのもまた、現代人の一面だといえるかもしれません。不自然なものは、自然そのもののイネイトの働きを阻害してしまいますから、これらを取り除くことで自然に健康によい条件が整えられるわけです。

 「不自然」と聞いて食べ物に含まれる添加物や農薬を思い浮かべる方も多いことでしょうが、中にはあまり深く意識しないまま口にしているものもあります。例えば栄養剤です。これが、100%天然の原料ならまだしも、その多くが科学物質であることを考えると、長く飲み続けたらイネイトを阻害することになるのです。

 食生活はできるだけ玄米菜食にし、魚や野菜は住居に近い産地のものを食する方がいいでしょう。加工食品はもちろん甘いお菓子、果物、乳製品、アルコールは摂らないほうが賢明というのが私の考えです。

 同様のことが化粧品や整髪料についてもいえます。選ぶ際には自然の原料を使用したものにし、アルコールや化学物質の合成による香料や強い香りのものは避けることです。

 薬に関しても重病でない限り、極力飲まないことをお勧めしています。嗜好品の煙草などは、まさに”百害あって一利なし”です。

■電磁波を防ぐには装飾品にも注意

 現代人にとって気になる健康阻害要因の一つが電磁波です。電磁波が体に悪いとは知られていても、頭痛、動悸、不整脈など様々な症状を引き起こしていることは意外と知られていません。

 パソコンや携帯電話、テレビなどに囲まれて生きる私たちにとって電磁波を避けることは難しいことですが、電化製品にアースを取り付ける、蛍光灯は電球に替える、電子レンジは使わない、枕元に電話やテレビ、オーディオデッキなどを置かない、部屋の風通しをよくして新鮮な空気を保つ、といったちょっとした心がけで影響を抑えることができます。

 電磁波から身を守るには、身につけるものにも注意が必要です。例えば、腕時計は電池を使用しない手動手巻きなどクオーツでないものを選ぶ、電磁波を集めてしまう眼鏡の金属フレームはプラスティックに替えるか金属部分に透明マニキュアを塗る、ネックレス、指輪、イヤリングなどの貴金属品は身につけないといったことを心がけるとよいでしょう。
イネイトは脳幹から全身へと流れます。その流れをせき止めないためには、体を締めつけないことが大事です。不思議に思う方もいらっしゃるでしょうが、靴やベルト、パンツのゴムを緩くしただけで花粉症などのアレルギー症状が驚くほど改善したという報告は数多く寄せられています。

 まず、きつい靴は避けるべきです。きつい靴は足だけでなく身体にも悪い影響を与えます。足から膝、膝から腰、腰から背骨、さらに頸椎へと、ドミノ倒しのように歪みが伝わっていくのです。

 そのように考えると、女性のハイヒールはファッション性よりも、履き心地を優先したいものです。靴下の素材は綿や麻、絹など、下着や服も化学繊維はやめて天然素材を選びます。できればストッキングも避けたほうがよいと思います。

■ワクワク感が人間を健康にする

  以上、イネイトの働きを促すための”引き算の法則”をご紹介しましたが、逆に”足し算の法則”もあります。つまり人間の体を自然に順応させるために積極的にやったほうがよいというものです。

 最も理想なのは、やはり環境のいいところで自然に親しみながらゆったり生活することです。カルチャーという言葉が農耕から来ていることでも、それはうかがえます。

 しかし忙しい現代人にとっては、現実問題としてなかながそういうわけにもいきませんから、なるべくワクワク感を持てることを考え実践することをアドバイスしています。お金を貯めたり社会的地位を獲得したり、それも確かに一時的なワクワク感をもたらすことになりますが、私は他人に喜んでもらうために何かをやる時の喜びに優るものはないと思っています。

 実際、私が診た患者さんの中には考え方を前向きに転換し、人のために尽くすようになって健康状態が改善した方たくさんいます。外からの押しつけではなく自分が心底満足感を味わった時にイネイトが流れるのだと思います。そのためには他人に遠慮して生きるより、少しわがままな方がいいのかもしれません。

 ここで日常の中で心や体の歪みを整える簡単な運動を一つだけご紹介しましょう。

 それは手には何も持たずに大股で五分から十五分歩くことです。走ると体に負担が掛かるので、歩くことをお勧めします。できれば軍隊行進のように右手と左足、左手と右足を大きく振り上げながら
歩いて(あるいは足踏みして)ください。体の歪みが矯正され左右のバランスが均衡になるだけでなく、ストレスの発散にも繋がります。

 私はこれまで三十年以上かけて研究した結果、イネイトの働きの大きさが分かり、それを人々にお伝えできることに大きな喜びを感じています。

 一人ひとりがイネイトの働きを知って健康になることで、やがて社会、国家、そして世界までもが癒されていくのが私の理想でもあるのです。

内なる自然の叡智を活性化させる「イネイト療法」(月刊誌 アネモネ)
触れずに施す「むつう整体」(月刊誌 婦人公論)