一度しかない人生。心身ともに健康状態を保って一生を終えたいものですが、思うに任せない人々が増え続けています。
理由ははっきりしています。昭和二十年以降、日本の伝統文化にそぐわない欧米化した生活を送っているからです。
日本人にふさわしい生活とはどのようなものなのか、要点を考えてみましょう。
食に関しては三つのポイントが挙げられます。ひとつは、食糧自給率が低下し続けているいま、むずかしいことではありますが、なるべく自分の住んでいる土地に近い食べものを口にすることです。二番目には旬の食べものを口にすることです。そしてもっとも大切なことは生きものを食べること、食品メーカーによって操作されている加工食品をできるだけ口にしないことです。
衣と住に関しては、通気性を重んじるという共通点を堅持しましょう。衣類の素材としては、木綿・麻・絹などを選び、通気性を妨げる石油化学せんいを使って作られた衣類をさけることが肝要です。
住居の通気性に関しては、気温と室温の差をできるだけ少なくすることが望まれます。
その差は大人で摂氏十度、子どもで摂氏五度以内が望ましいのです。これは昭和二十年まではほとんどの家庭で守られていました。つまり、暖房ではなく暖身を守ることで、特に鉄筋住宅で生活する人には配慮が望まれます。
生活リズムも大切です。ひとは昼行性の動物ですから、できるだけ早寝早起きの習慣を身につけたいものです。
さらに重要なのは心の持ち方です。ひとばかりでなく、まわりのすべてと共生、共存しているという認識を持つことです。まわりを察知する覚他の精神を心がけ、つねに感謝の気持ちを抱いて日常生活を送りたいものです。
小林正観さんのいう「き」「く」「あ」の習慣(きそわない、くらべない、あらそわない)を身につけることも大切ではないでしょうか。 |