医療費の増加に全く歯止めがかかりません。そのひとつの原因は、
今の医療が病気の治療に重点がおかれていて、より重要な病気の予防への関心がうすい点にあると思います。 「
未病を治す」
病気の予防には免疫力を身につけることが肝要です。それには、衣食住をはじめ生活全般にわたって、日本の伝統文化に則った生活を心がけ、それを次の代に伝えていくことが必須の条件になります。そのうち、食について考えてみましょう。 四千年前の周の時代、中国には次のような医者のランク付けがありました。それによると、もっとも位が高いのは食医(食べ物で治す医者)ついで疾医(薬で治す医者)傷医(メスを使って治す医者)獣医となっています。今の日本では、これが逆転してしまってはいないでしょうか。
二千年前に聖医といわれたヒポクラテスは「食で治せない病気は医もこれを治せない」といっています。さらに、今の日本にぴったりと当てはまる言葉を残しているのです。
「人(二千年前のギリシャ人)は、食べ物を四分の一は自分のために食べ、
四分の三は医者と薬屋のために食べている」 病気の原因になるような食べ物を食べて医者と薬屋の生活をうるおしているという事です。まさに終戦(昭和二十年)後の日本の食生活の推移をそのまま語っているのではありませんか。 これは、衣類や住居に関しても、同様のことがいえると思います。今こそ、日本人に会わない欧米化した生活環境に歯止めをかけ、
全ての生活環境に関して、延々と育まれてきた日本の伝統文化を取り戻すべき最後の時であると思います。 そして、それを二十一世紀を担う次の世代に伝えることによって、マッチポンプになってしまった誤った日本の医療を、本来あるべき正しい姿にして頂きたいものと望まずにはいられないのです。 |