雨降りの日など、仕事を終えて家にたどり着いたとき、何かしら違和感にとらわれることがあります。
その大きな理由は、一日中コンクリートの上で過ごして土を踏んでいないことにあるようです。 さまざまなストレスが増加している今日、その解消の為の一助として、生きものである人が、
生きている土を踏むことが大切だと思います。 土を踏みしめることを忘れた毎日は、
おのずから、土から生ずる自然の恵みへの関心も薄れさせます。
そうした自然体験の有無は子どもたちの日常行動にも大きな差をもたらします。
土を踏み、自然とのふれあいの多い子どもほど、
生活の中での行動や態度が健康な状態にあるのです。 そうした意味で、
室内ばかりでなく戸外に出ること、ゆとりがあれば旅に出る機械を持ちたいものです。遠足
や旅行に際しても、つとめて歩くこと、それも土を踏みしめて歩くことが望ましいのです。
ある人は「小学校や幼稚園に遠足がなくなり、遠バスばかりになってしまった」と嘆い
ていますが残念なことです。 言うまでもなく、外に出ること、旅に出ることの恩恵は土ばかりではありません。
川・滝・湖・海などの清らかな水。
マイナスイオンのもっとも豊富な場所は滝壷であるといいます。
心をおおらかにしてくれる山や峰の連なり、
そこに生い茂る木々の緑、美しい草花、何よりも都会では味わえない新鮮な空気。 本来、
日本人は自然を愛し、花鳥風月と親しむ国民だったはずです。そうした良さを取り戻すべく、心の
癒しを求めて、外に出、旅に出る機会を増やすように心がけていただきたいものと願っております。
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「土から生まれ、土の生むものを食って生き、そして死んで土になる。われらは畢竟土の化け物である」
(徳富蘆花) |