私は講演の際に、ときどきおもしろい(おそろしい)テストを加えること
があります。十桁の乱数表を二枚用意します。
そのうちの一枚を黒板に貼り、被験者に十秒間ほど見せた後、外して復唱しても
らいます。
次に両手でしっかりとクォーツ時計を握り締めて、別の紙で同様のことを行います。そうすると例外なく、
時計を握った時の復唱力が低下してしまうのです。
手巻きの時計ではそのようなことは起きません。
つまりクォーツの静電気が記憶力を低下させてしまうことになります。 このことから、
昔と今の子供の部屋にあるものを比較してみましょう。
手巻きの時計とクォーツの時計、白熱電球と蛍光灯、そろばんと電卓、蓄音機とCD、
紙芝居とテレビ・テレビゲーム、手紙と携帯電話、火鉢・炭のこたつと電気こたつ・電気毛布。
これらはすべて、後者が前者より思考力や記憶力を低下させる要因となります。 また、
この頃はコンピューターやビデオを使った様々な学習機器が開発され、むしろ知的な母親が子どものために購入しています。
これらはかなり高価なものも多く、経済的な負担がかかるばかりでなく、子どもの健康、
とくに心の健康にマイナスの影響を及ぼすことをしっかりと認識していただきたいと思います。 さらには、
子どもの健康よりも経済的利潤を優先するわが国の行政では、小学校にまでコンピューターを導入してしまいました。一方、イギリスは「中学生までは携帯電話を持たせないこと、
コンピューターは高校生になってから・・・」という政府の見解を明確にしています。 こうしたことは、
マスコミの宣伝にのせられず、
ご自分の頭で考えていただければすぐにわかるはずです。悔いを後世に残さないためにも、今こそみなさま方の先見の明が望まれるのではないでしょうか。 |