最近は加工食品をなるべく摂らないようにしている家庭が少しずつ増えてきているようです。しかし、それよりずっと大切な空気の加工の害についての意識がまだまだ低く、それが様々な病気を生み出しています。
戦前の住居はほとんどが木造住宅でしたから、通気性に富んでいました。屋内も障子や襖で仕切られ密閉されていませんでした。
空調(冷暖房)している家庭など極めて少なく、頭寒足熱に則って、冬は湯たんぽ、火鉢、こたつなどで下半身を温め、夏はうちわや扇子などで上半身に涼風を送ることで健康を維持していました。
私は、気温と室温の差は、大人は摂氏10度以内、子どもは摂氏5度以内に止めておかなければならないと訴え続けています。それ以上に温度差が拡がると、ホルモンの分泌が乱れ、自律神経のバランスが崩れて、病気の引き金になります。
終戦60年あまり、日本人に合わない生活に転換してしまったことによる弊害は枚挙にいとまがありません。そのうち一例を挙げてみなさまのご参考に供します。
未熟児など、生まれたばかりの赤ちゃんが小さい時には、その生命を救うために温度を調整した保育器に入れて育てます。その保育器と、保育器に入れる必要のない子どもが過している冷暖房した子どもの部屋とどこが違うでしょうか。
そのことを、三重県伊賀市の優れた建築家宮本無茶思さんは、その著書「衣食住はその人の運命を左右する」の中で、子どもたちの心身が脆弱化している原因をたった一言で見事に言い表しています。
「いまの子どもたちは保育器の中で育てられている」
生命を守る上でもっとも大切な空気の加工という誤りを正すため、一刻も早く保育器から出す(冷暖房をやめる)事を遵守していただきたいと願っております。 |